iPhone を紛失する ”前” に読むエントリー
〜 私が iPhone をなくして感じたこと(前編)
私はDpub4の前日、大阪にてiPhoneを紛失しました。色々ありましてなんとか翌日無事手元に戻ってきたわけですが、そこで得た経験をエントリーにしたためてみました。あれが2/10のことですから実に2ヶ月もかかりました。
なんとかみつかりました。 Photo by donpy
せっかくそういう経験をしたのだから、なくすに至るまでの、なくさないための、なくしてからのことに分けてポイントを書いてみました。これはもちろんすべてではありませんし、至らない点も多々あるかと思います。逆に、ここに書かれたことすべてを実行する必要もまったくありません。最後にも書きますが、何より大事なことは iPhone を紛失することの重大さを自覚することと、なくさないための意識をもって準備しておくことが必要だと思います。
iPhone を紛失しないための、また、紛失したときの少しでも助けになれば幸いです。エントリーは2つに分けてアップ致します。まずは「紛失前」に気を付けるべき点について書いてみようと思います。
紛失に至るまで
◆ 1. なくすシーンは想像できないんです。
そもそも、「iPhoneなくすなんてどうかしてるんじゃね?」とか「おれは絶対なくさねぇよ!」とタカをくくってらっしゃる諸氏も多いかと思います。はい、私もかつてはそうでしたのでわかります。しかし、なくして思ったのはその自信の根拠って何もないんですよね。では、逆に考えてみて下さい。「なくすシーン」ってなんだろうと。
急いでいて横に置き忘れる、話に夢中でつい置き忘れる、うっかりしていた。色々あると思うのですが、それだけでしょうか?今手元に iPhone がない理由がなんなのか。それがわかれば探しようもあるわけです。盗難の可能性だってありますし、本当にポケットから滑り落ちてなくなってる場合だって考えられるわけで、なくす前にそれを想像するのはほとんど不可能なわけです。
つまり、「なくすシーンが想像できないからなくなる」わけです。
iPhoneの紛失というのは「不慮の事故と同じでいつなくすかわからない」わけで、その可能性はどんなに気を付けていたとしてもゼロにはなりません。常にその事故と隣り合わせなのだという意識が大切だと思います。その意識をもつことでその可能性をゼロに近づけることはできるわけです。
◆ 2. iPhone を紛失してなくすものは iPhone だけじゃないんです。
iPhone を紛失することは本体のみならず、その本体だけに保存されている「ローカルデータ」の紛失も意味します。大切なデータをも失うこともしっかりと意識しておく必要があるわけです。
しかし、iPhone はクラウドデバイスです。ほとんどのデータはクラウドに保存しておくことができます。紛失したときに最も困るのはやはりデータの紛失と流出です。新しいiPhoneになってもできるだけデータの復旧ができるよう、日頃からバックアップあるいはクラウドへのデータ保存を心掛けることは必要なことだと思います。
紛失に備えること(物理的な紛失への対策)
さて、ここからは具体的な対策についてお話ししていきたいと思います。さきほども触れましたが、iPhoneの紛失は何も物理的にガジェットをなくすだけではありません。もちろんそれが一番の痛手にもなるわけですが、その中に保存されているデータの紛失も重大なことと思います。
それぞれについての対策は細かく言えば数え切れないほどあるのですが、その中でもポイントになる2点についてお話ししてみたいと思います。
まずは iPhone本体の紛失への対策から。何はともあれ、「iPhoneを探す」機能は非常に強力で頼りになる機能だと思ってます。とにもかくにもこの機能をONにして必要な設定をするところから始めることを強くオススメ致します。
◆ 3. iPhoneを探すを設定するにおいて必須な設定がある。
iPhoneを探す 1.4
容量 : 7.6 MB
リリース日 : 2010/06/18
カテゴリ : ユーティリティ
価格 : 無料
販売元: Apple
AppStoreでの評価 : 3.5
AppStoreでチェック → iPhoneを探す
このアプリを使いますと、なくした iPhone を探すことができます。しかし、なくす可能性のある iPhone そのものにこのアプリをインストールしていても、さほど意味はありません。他のデバイスをなくしたときにこのアプリが使えるだけの話なので。iOSデバイスを複数持っている方はすべての iPhone にインストールしていてもいいかもしれませんね。逆に言えば「なくしたときにインストールしても遅くない」わけです。
重要なのは iPhone本体への「iPhoneを探す」の設定をすることです。設定方法は簡単です。事前に iCloud を使用していることが条件になりますけども。
このように iCloud から「iPhoneを探す」項目を「オン」にするだけです。念のために他のiOSデバイスまたはPCから実際に探してみるということはやってみたほうがいいかもしれません。実際なくしたときは頭が真っ白になりますので、一度やっているのかやっていないのでは全然違うと思います。そういう意味でも iPhoneアプリを使っておいた方がよいと思います。
「iPhoneを絶対になくしたくない」と思われる方に必須な設定がひとつあります。それは、
絶対に「3Gをオフにしない」ことです。
実を言いますと、モバイルデータ通信も iPhone をなくしたときのことを考えるなら、「オン」を推奨いたします。(私はゼロパケット運用していましたが、今はオンで使ってます。)データ通信を利用しないことにはこれらの機能は使えないからです。ただ、奥の手として「3Gをオン」にしときさえすれば、直接 iPhone に電話を掛けて問い合わせる手段は残っていますが、リモートロックなどの重要な機能は使えません。「3Gをオフ」にしていると既にこちらからiPhoneを探す手段はなくなってしまいます。
なぜなら、多くの「モバイル通信をオフ」で運用しているユーザーさんは Wi-Fiルーター運用をしている方々が多いからです。Wi-Fiルーターを複数運用している方はその限りではありませんが、iPhoneとWi-Fiルーターが離ればなれになった瞬間、そのiPhoneは、電話回線しか使えないガジェットに成り下がってしまうのです。そのリスクは非常に高いと思われます。
◆ 4. アクセサリを利用する
本体をなくさないためには肌身離さず持っていることが一番安全です。
そこはアクセサリなどの力を借りまして、体にくくりつけておく、またはそれに準じるものを使うとさらになくす可能性は減ると思われます。アクセサリはそれこそ色んな会社から色々な種類があるので自分に合ったモノを選ぶと良いかと思います。参考までに私が使ったことのあるものを紹介しておきます。
・ネックストラップ型
・カラビナ型
・ガジェット型
最近では Bluetooth4.0対応のガジェット型置き忘れ防止のアイテムも発売されることになったようです。私も予約していますが、予約殺到のようで品薄のようですね。
このようなアイテムを使って、できるだけ置き忘れをなくしたいものですね。
【追記 2012/05/22 : レビューを書きました】
◇ iPhone 紛失対策アイテムの真打ち登場か!?「ぶるタグ」(LBT-MPVRU01)レビュー | 覚醒する @CDiP
紛失する前、した後、さまざまな iPhone が見つかるよう対策をおすすめしたわけですが、その中でもご紹介しました、Bluetooth ガジェットにスポットを当てて今回は紹介してみたいと思います。 …
紛失に備えること(データ面の紛失への対策)
そして本体以上になくして困るのは大切なあなたのデータです。データには2種類ありまして、クラウド管理型のデータとローカルのみで扱うデータがあります。ここでコワイのはローカルデータの紛失です。毎日母艦(PC)にバックアップを取っていれば被害は最小限に抑えられますが、それでも日々データは脈々と変化していますので、ある程度のデータの消失は避けられないでしょう。
それを踏まえて3点、話ししてみたいと思います。
◆ 5. 何をローカルデータにおいているかを把握しておく。
保存するデータの形式は様々ですが、大きく、「画像」「テキスト情報」「動画」「音楽」に分けられると思います。
今や、iCloudが5GBまで無料でユーザーに提供されていますので、連絡先、メール(MMS/iMessageは除く)、カレンダー、ブックマークの情報は保持されます。写真は PhotoStream がありますので、定期的にPCから抜き出すなり、写真共有サービスへ保存するなりしておけばいいと思います。
iCloud が重要なのはこれらを自動的にやってくれてなおかつバックアップも取ってくれていると言うところです。データ紛失に非常に頼りになる存在だと思います。過去にエントリーを書きましたので、そちらを詳しく知りたい方はご参照していただければ。
◇ 「 iCloud ってさあ、無料とか言いながら容量がたったの 5GB でしょ?少なすぎて使えねぇよ!」 →「いえ。余裕ですし、誤解です。」を解説します。
https://www.donpy.net/icloud/14701.html
(via 覚醒する @CDiP )
◇ 明日発売の iPhone 4S を iCloud から快適に復元しよう!
〜バックアップ機能からの復元を実践 / iCloud 容量節約 5つのコツ
https://www.donpy.net/standard-entry/tips/14622.html
(via 覚醒する @CDiP )
しかし、忘れがちなのはサードパーティアプリ内で保存したデータです。
例えば、GoodReaderなどは最たる例で、このアプリも iCloud に対応しています。しかしながら、ユーザー自身が iCloud に保存するというアクションをとらなければ全てのデータはローカルデータ扱いです。無論、Dropboxから取り込んだファイルなら問題はないわけですが、Webからダウンロードしたようなデータは iCloud に保存していなければ消えてしまうというわけです。
これはテキストエディタにも言えましょう。クラウドに対応しているかしていないかをそのアプリを使う前に十分にチェックしておく必要があると思います。私は、クラウド対応のものを優先してチョイスしています。テキストエディタなら ATOKpad とか Simple Note ですとか。
ATOK Pad 4.2.1
容量 : 33.7 MB
リリース日 : 2010/09/22
カテゴリ : 仕事効率化
価格 : ¥1,200
販売元: JUSTSYSTEMS CORPORATION
AppStoreでの評価 : 2
AppStoreでチェック → ATOK Pad
Simplenote 3.2.0
容量 : 3.3 MB
リリース日 : 2008/09/08
カテゴリ : 仕事効率化
価格 : 無料
販売元: Codality
AppStoreでの評価 : 2.5
AppStoreでチェック → Simplenote
事前にアウトライナー的な箇条書きのできるメモ帳などにローカルしかデータのおけないアプリについてはメモしておくとよいと思います。私は OutLiner というアプリで管理しております。
Outliner 3.0.1
容量 : 1.3 MB
リリース日 : 2008/07/11
カテゴリ : 仕事効率化
価格 : ¥450
販売元: CarbonFin
AppStoreでの評価 : 無し
AppStoreでチェック → Outliner
特にデータとして微妙なのはゲームデータです。iPhoneを紛失した場合、ほとんど場合はそのデータは消失すると思ってよいかと思います。これからは iCloud の進化に伴い、GameCenter との統合を計ってもらいたいなと思っておりますが。
とにかくローカルのみに保存するデータはできる限りで外部出力させてバックアップ取ることをお勧め致します。
◆ 6.位置情報などのライフログをできるだけ細かく取る
これは必須というわけではありませんが、iCloud、その他のクラウドサービスを利用して最大限保存データをバックアップしておくということの他にさらに自らがログを生成してクラウドに保存することでなくした iPhone の所在の精度を上げることができると考えられます。
代表的なものが FourSquare ですね。位置情報を細かく取ることでどの場所まで記録があるのかを見ながらなくした iPhone の場所を思い出す。なんてこともできると思います。もちろん FourSquare サーバーにチェックイン履歴は保存されていますので、他のデバイスからその履歴は確認できるわけですね。
foursquare 4.2.3
容量 : 7.7 MB
リリース日 : 2009/05/28
カテゴリ : ソーシャルネットワーキング
価格 : 無料
販売元: Foursquare Labs, Inc.
AppStoreでの評価 : 2.5
AppStoreでチェック → foursquare
このような感じで、いつどこまであったのかを把握することができます。
また、写真にジオタグを埋め込むこともいいですよね。
Koredoko – Exif and GPS Viewer 4.2.2
容量 : 2.9 MB
リリース日 : 2008/08/11
カテゴリ : 写真/ビデオ
価格 : 無料
販売元: Norio Kawabata
AppStoreでの評価 : 4
AppStoreでチェック → Koredoko – Exif and GPS Viewer
その直前まで写真を撮っていればどの場所まで iPhone があったのかを PhotoStream 経由で残っている写真から地図に投影することだってできるわけです。
◆ 7.予備のiOSデバイス、ノートパソコンを持っておく。
これは「あれば」の話なんですが、iPhoneをなくしたときに一番役立つアイテムはiPhoneだと思ってます。それはやはり「iPhoneを探す」というアプリがあるからです。もし、過去に持っていた iPhone を引き出しにしまっているのならぜひこちらも携帯したほうがよいと思われます。
もしくは iCloud に接続できるモバイルPCなどでもよいかと。ただし、各種設定は事前に終わらせておいた方がよいと思われます。落としてからそのような作業は頭が混乱していてなかなかできないと思われるからです。
もしあなたがモバイルWi-Fiルーターをお持ちならば、もし iPhone を落としたとしても準備さえしっかりしていればたちまちにして古い iPhone で元の環境を構築できてしまいます。連絡もすぐ取れますし、いざとなれば、050アプリを使ってなくした iPhone へも電話を掛けることができます。
あればとは断りつつもなくした iPhone が見つかるかどうかで言えば、かなり重要なファクターになるのではないでしょうか?
(後編に続きます。)
前半では紛失に対する本体とローカルデータについての心得的なことを書いてみましたがいかがでしたでしょうか?ま、当たり前と言えば当たり前なんですけども、意識するのとしないのでは全然変わってくると思います。
中でもモバイル通信をオフにしているユーザーさんはたくさんいらっしゃると思います。月々の通信費を削減するための苦肉の策かと思いますが、上に書いたようなリスクは背負うことになるわけで、私は色々悩んでモバイルデータ通信は「オン」で運用しています。(当然、下限では運用できなくなりました)ま、要はなくさなければ何の問題もないわけですけども。
後半では、実際に私が iPhone をなくしたときのこととオーバーラップさせながら実際になくしたときにどうするべきかについて書いてみようと思います。
ではまた。
【関連記事】
◇ iPhone を紛失した ”その時” に読むエントリー。
〜 私が iPhone をなくして感じたこと(後編)
https://www.donpy.net/standard-entry/tips/15639.html
(via 覚醒する @CDiP )
.