iPhone が日本で発売されて4年。そして iPhone ブログ開始4周年。
〜 @donpy 通信【431号:2012/07/11版】
思えば4年前のこの時間帯。日本はフィーバーに湧いていました。正確に言うと、フィーバー前夜に翌朝フィーバーになることをわかっていた方々がそれぞれの想いで、表参道に行列していた時間帯かと思われます。
表参道だけではありません。大手量販店には全国的に行列ができ、噂のタッチデバイスの携帯電話「iPhone 3G」の販売開始を今や遅しと待っていたのです。
普通の平日の火曜深夜。2012/07/11 は何もなかったように静まりかえっております。あれから4年。私の人生はあれから大きく変わったように思います。iPhone を手にしたあの日から。
すべては 2008/7/11 に始まった。
iPhone の情報を発信するために はてなダイアリーにてブログを開始しました。
あの感動は何だったんだろう。
と思えるほど4年経った今はこのようなデバイスで世の中はあふれかえっています。
「未来はきっとこんなケータイだらけになる」
と信じた私ですら、4年後ここまでなるとは思ってもみませんでした。革新的と言われたガジェットも所詮ガジェットに留まるのではないか。物珍しそうにみなに見られながら静かにブームは去るかも。それが iPhone3G を実際に手にして使ったときの正直な私のファーストインプレッションでした。そう、それくらい未完成なものでしたよ、 iPhone3G は。しかし、それ以上の未来を感じることができたデバイスであると思えたのは確かなことです。
そのままブームのままに放って置いて果たして日本でここまでスマートフォンブームが到来したかと言えばそうとも限らないと思えたのは、この日だからこそ言えるのは、ソフトバンクが iPhone の販売権を得たことから始まっていると思っています。何も ソフトバンクびいきとかそういう話ではなくて、ドコモじゃなくて心から良かったと今でも思っています。孫さんのやってきたことの上に今のスマートフォンブームがあると言っても過言ではないと思っています。
それと、もうひとつ大きなことは、iPhone を軸とする発信基地が数多く出てきたことです。その大将格は「AppBank」。しかし、そのサイトすらその当時カタチすらありませんでした。彼らが iPhone 発信をはじめたのはそれから4ヶ月後のことなのでした。
その当時、大手サイトではいわゆる「iPhoneバッシング」なるものが起こっていて、大方の予想は「iPhoneは売れない」で大筋思われていました。そんな中、大手ライターの中では、林 信行 さん、大谷 和利 さんあたりが非常に熱を込めて iPhone の素晴らしさを語っていたことは忘れられません。本物のわかる人達がいるんだと勇気づけられたモノです。
果たして iPhone で変わったケータイの世界は何だったのか。
iPhone が変えた「コト」
◆ デバイスとしての設計そのもの
これまでの物理的なボタンで操作する常識を覆したのは iPhone で間違いないと思います。それまでにも日本製のスマートフォンは Windows Mobile という OS で動作する感圧式タッチパネルの時代でしたので、スタイラスが必須でした。
それが指だけで操作ができ、マルチタッチという革新的な操作方法により、拡大縮小、スクロールその他の物理的なボタンで操作すること以上の体験を与えてくれたように思いました。この感動は既に、iPod touch で知っていたことだったのですが、それを常時ネットに接続されている端末として使えたことに衝撃を覚えました。
その直感的な操作方法が革新的なのであって、大画面でタッチさえできればいいと思われている節もありましたので、私が iPhone を使っているのをみて、「それ使いやすいですか?」とか何度聞かれたかわかりません。挙げ句の果てにはメーカー側でも大きな勘違いから、プラダフォン なんかも発売されているのを見て思わず吹き出しそうになったことを思い出します。
◆ デジタルコンテンツの価値観(AppStore)とマーケット形態
無料アプリはいまや当たり前の時代になっておりますが、その当時「iモード」では月額課金が当たり前でした。私はこの頃まだまだデジタルコンテンツにお金を出すことなどもったいないと考えておりましたので、着メロサイトを1サイトだけ登録するくらいしか使っておりませんでした。
そんな私の考えを根底から覆したのは AppStore でした。
今や便利なアプリならば、何の躊躇もなくお金を出してコンテンツを購入するまでに至っております。
それは iPhone に備わっている最低限の機能の時点で別次元の便利さを誇りながら、さらなる便利はサードパーティアプリにて機能追加ができるカスタマイズ性。これに私は惚れました。徐々に有料アプリにも手を染め、気付いてみると1000円をオーバーするようなアプリを購入するのに何の躊躇もなくなっていたのです。
ちなみに私が AppStore 開店直後にスクリーンショットを撮っていたのですが、これだけのアプリしかありませんでした。
非常に小さなスクリーンショットで恐縮なのですが、これが紛う無き、 iPhone 発売当日の AppStore 開店直後の状態です。ここから、数十万のアプリが輩出される巨大ストアになるなんてことは想像だにしませんでした。
私が有料アプリに手を出し始めたのはその2ヶ月後からのことでした。
◆ インターネットをインフラとして定着させた。
インターネットがより身近になった。とでも申しましょうか?
すぐに調べたいことをインターネット経由で調べることはかつてのケータイでもできないことはありませんでした。しかし、やらなかった。ケータイ独自の専用ページが普段PCを使っている私に取っては使いづらくて仕方がなかったからです。サイトのWebページも iモード専用ページが用意されていないとろくに見ることもできない時代でした。あまりにも PC とは違った世界が広がっていたのです。
また、私はそれまでのケータイでものすごくいやだったことがあります。それは「アドレス帳」の存在です。機種変更すれば必ず「消えてもイイ」同意をさせられてそれがイヤで、PCに高いツールを導入してUSBで転送したりしていたことを思い出します。
すべてがローカル管理だったんですよね。
また、スケジュール管理にしてもそれまでのケータイだとPCとの連携がほぼ皆無に等しかったので、必要な情報は手打ちで ケータイに入力していました。その二度手間がどうしても我慢できなかったので、紙媒体の手帳などは手放せませんでした。
今ではクラウドという言葉は当たり前になりましたが、このような「二度手間」がほとんどなくなったように思います。メールにしても、ケータイメールと区別することなく、いつでもどこでもメールを受信できるその環境の意味がその当時は本当の意味ではわかってなかったのかもしれません。
ただ、ぼんやりと何でもPCと連携できる iPhone はスゲーと思っておりました。ネット上にデータがあるんだから、それを読めるデバイスさえあれば何でもできるじゃないか。と。そこで、iPhone への興味と同時に私の興味はさまざまなウェブサービスにも及ぶようになりました。
そしてその後の SNS 全盛時代も来るべくして来たわけです。Twitter にしろ、 Facebook にしろ、スマートフォンがなければこれだけの爆発的なユーザーの増加はなかったと思います。
その夢に対して当時はデータ漏洩等の「セキュリティ問題」がついて回り、周りの方々はあまり寄りついてこない。そんな時代だったように思います。
◆ ケータイ電話としての連絡手段
SNS 全盛時代になったことで、メールも電話も使わず相手に連絡を取ることが簡単になりました。しかも無料で。ここ最近の LINE の流行ぶりは目を見張るモノがあります。
連絡手段だけではありません。先ほども申しましたように、スマートフォンは SNS を浸透させました。
iPhone から「出会い」すら革命が起こったのではないかとも考えています。
今はまだ Facebook 等が日本でも浸透し始めている中で、既にそのような SNS を通じての交流会は Dpub なども見ても明らかなようにこれからもっと大きなムーブメントになると考えています。どこかの業者が胴元になり、異業種交流会がおこなわれてその上で出会うなんて時代は近い将来メインではなくなるでしょう。
リニアでホットな出会いはスマートフォンの出現と、それに伴うSNSの浸透から起こる化学反応で、その先にはこれまでの連絡する本当の意味、つまりは「人と人がつながる」ところまで実現できるツールになったんだと思いました。
4年間情報発信が続けられた本当の理由
そんなときに私は iPhoneブログを始めました。
実はそのとき私の知っている iPhone系ブログは両手でもあまるほどしかありませんでした。中でも仲良くさせて頂いていたのは当時既にガジェット系で有名であった @motomaka さんと @nashiko_ さんです。彼らは私のような弱小ブログに目をかけて下さいました。
本当に楽しい毎日でした。ブログ間でエントリーでやりとりするなんてことは今だとよくあることなのですが、その当時はほとんど見ることはなかったことですので刺激的でございました。
しかし、4年と言えば、1000日も超えてるわけで、それだけでこうも毎日よくも iPhone ネタばかりで続くよなと思われるかもしれません。
おそらく私は天の邪鬼なんでしょうね。真の理由は別にありました。
まあ、今も変わっていないと言えばそうなのですが、こんなエントリーを iPhone発売日にやっちゃう人でもあるわけで。
読んで頂ければわかると思いますが、このエントリーはその当時、iPhone に対して懐疑的な発言が多く、大手のITメディアでも同様なネガティブキャンペーンが行われていることに対して書いたものです。
何が何でもそんな見えない方々に iPhone の素晴らしさを伝えたいんだと思っていたのでしょうね。それこそが4年経って自分でも気付いていなかったモチベーションそのものなんだと思います。
日々発見、日々楽しみで溢れる。そんな毎日だったことはエントリー一覧など見て頂ければお分かりになるかと思います。
そしてこれから。
今日で4周年を迎えることができたのも、今までこのような稚拙な文章で情報発信と言えるほどでもない右にあるものをただ左に流すだけの作業を暖かい目で見守って下さった読者様のおかげにほかなりません。
正直「飽きた」と言う方も多いことでしょう。
これだけスマートフォンが一般に浸透した今、私が発信できることはもうほとんど残されていないのかもしれません。ここじゃなくても代わりはいくらでもあるわけです。
ならば、そういう発信サイトを応援しようではないかということで、Focus系の記事に力を入れ、ここ1年エントリー数も増やして頑張ってきました。ただ、それにも疑問がないわけでもありません。
5年目をスタートさせるにあたってはやはり「私なり」をキーワードにしてやっていきたいと思っております。時間は限られていますので、更新の手間をこれ以上増やすことは事実上難しいです。新しいことを始めるならば切り捨てなければならないものもある。
4年前のエントリーをここ1週間ほどひたすら読んでいて気付いたのは、
「伝える」「繋げる」に加えてやはり一番大切なことは「楽しむ」ということです。というわけで、残念ながら今日で終わりということにはなりません。これからもひたすら iPhone を軸とした情報発信を「楽しむ」視点で発信していけたらと思っておりますのでどうぞ宜しくお願い致します。4年経ってもやっぱり「迷走」してるでしょ?(笑)おもしろいなぁ。
3Gから3GSそして4、4Sと来た歴史。なんだか感慨深いですよね。
だんだんと何が言いたいのかわからなくなってきたところで、懐古は終わりにしましょうか。
長々とお付き合いいただきましてありがとうございました!
ブログへのいいね!もそのノリで是非!
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