「WWDC2011」基調講演まとめ
〜 iCloudサービス発表、新OS「iOS5」「MacOS X Lion」発表。One More Thingsは「iTunes Match」
ついに発表されたiCloud。それを支えるOSが重要だということがよくわかるような基調講演でしたね。iPhone新機種がなぜ遅れるのか。それもやはりiCloudを軸としたAppleの構想があるからなのでしょう。
それほど、今回発表されたiCloudはまさにこれからのクラウドデバイスのあり方を提案されたように思います。
もちろんOSの機能強化も非常にしっかりとしたものになっていましたし、OSアップデートに関しては「iOSとMacOSの統合はiCloudを介してはじまる」という印象も受けました。まさにiOSの熟成を見るような感じでこれまでで一番安心し、ワクワクするような気持ちで発表を見ることができましたです。
随時更新とかなり重なる部分も多いのですが、余計なものを省いて時系列に沿ってまとめ直してみました。
Steve Jobs登壇
スタンディングオベーション。今日は3つのことについてお話したい。とのこと。
まさに「iCloud」「MacOS X Lion」「iOS5」の3つのことですね。
MacOS X Lion の発表
120もの新機能の追加。基調講演では10の主要な機能が紹介されました。
◆ マルチタッチジェスチャー機能
◆ フルスクリーンアプリケーション
◆ ミッションコントロール機能
この画面でもあるように、デスクトップでのウインドウの配置を自由に配置できるようですが、実際に使ってみないとわかりにくいかもしれませんね。なんとなくイメージできます。
◆ MacAppStore
・Lionへの標準搭載
・アプリ内購入
・プッシュノーティフィケーション機能搭載
◆ Launchpad機能、Resume機能、Autosave機能
・まるでiOSのような外観のLaunchpad。
・Resume機能:アプリケーション起動状態を再起動してもシステム側が管理し、再起動後も元の状態を復元する。
・Autosave機能:システム側でアプリケーションで作成した書類などの保存状態などを自動で管理してくれる。
いちいち「保存しますか?」と聞かれないというのは非常に革命的ですね。書類作成などでこれまでの変更履歴も自動で保存されているとのことで、保存を意識することなく書類を自由に作成できるということになりますね。
◆ Version管理
◆ AirDrop機能
・メニューの中にAirDropオプション。
・友人に書類などに簡単にファイルを共有できる機能
下のSSが非常にわかりやすいですね。簡単にMacユーザー同士でファイルを共有できそうで、これは期待の新機能ですね。
◆ メール機能
・フルスクリーンアプリケーション対応で全て書き直した。
・標準で暗号化対応
・メール検索機能の向上。検索の提案も行ってくれるようです。
・インクリメントサーチに対応。
・Conversation View(会話モード)を搭載
・添付ファイルはインライン表示。
非常にiOSのメール機能に似た印象を受けます。
◆ 発売時期について
・デベロッパー向けには今日から。
・一般ユーザーには7月提供だそうですよ。$29.99での提供になるそうです。日本では2600円。
・Mac単体でなんとMacAppStoreのみで提供される。
iOS5の発表
こちらも主要の10の機能についてアナウンスされました。どれも興奮する内容ばかりでしたね。特にカメラ機能の強化とTwitterのOSへの統合は素晴らしい。iMessageはFaceTimeになるのか、こなれたサービスになるのか今はまだわかりませんが、個人的には非常に期待しております。
◆ 新プッシュ機能
・さまざまな動作を中断させてきたプッシュ機能を大幅に変更
・Notification Centerを統括する機能。
・スワイプで全体のプッシュ通知を俯瞰することができる。
・ロック状態でもプッシュ通知の一覧をみることもできるようです。
これは私も非常に不便に思っていたプッシュが改善されたことで嬉しい限りです。
◆ ニューススタンド機能
AppStoreから買える、雑誌と新聞に特化されたもになるそうです。ちょっとイメージしにくいのと日本ではどうなるかってところですよね。
◆ Twitter機能の統合
・すべてのTwitterアプリケーションはこの機能により管理される。
・デフォルトアプリからTwitterに情報を流すなどができるようになるということだそうです。
(マップから位置情報を流したり聞いている曲の内容をTwitterに流すなどのことができるそうです。)
OSに統合されると非常に便利になりますね。
◆ Safari
・Safari Paper。まるでInstapaperのようですね。
・Reading List
・タブブラウジングの実現
・タブ間の切り替えの高速化が実現している。
・SafariとTwitterからのつぶやきが非常に簡単になった。
◆ リマインダー機能
◆ カメラ機能
・起動が高速化
・ロック画面からの一発起動も可能に
・露出とフォーカスが別に。(サードパーティ製では当たり前になってきてますよね)
・ボリュームボタンがシャッターに。
・グリッド表示も可能に。
・ズームはピンチでできるようになるそうです。
・赤目軽減機能
◆ メール機能
・メッセージ全体の文字検索
・アドレスがドラッグできるように。(これはうれしい)
・フラグを立てることができるように。
・キーボードの分割。
◆ PC Free
・母艦いらずに。
・ソフトウェアアップデートが無線経由で可能に。
◆ GameCenter
・こちらからゲームのダウンロードができるようになるのでしょうか?
◆ iMessage
AppleがIMを提供するということなのでしょうか?
現在BelugaのようなIMサービスがありますが、これをAppleが統括してやってくれるのは非常にありがたいですよね。SMS/MMSのようなキャリア依存するような要素は排除していきたいというAppleの考えなのでしょうか?個人的には非常にうれしい機能です。
・動画、写真を転送可能
・プッシュ対応
・履歴機能
◆ リリースは今秋。デベロッパー向けには本日リリース
◆ 対応機種デバイスについて
iCloud サービスの発表
iCloudは無料スペースと有料スペースが存在し、以下のサービスが提供されることになったようです。
◆ 概要
・無料スペースは5GB
・10台までのデバイスの紐付けが可能
・iOS5リリースと同時予定
◆ 既存のMobileMeでのクラウドサービス「メール」「連絡先」「カレンダー」機能は無料で提供
◆ AppStore、iBookStore、iTunesStoreで購入したコンテンツがクラウドに。
AppStoreなどで購入したアプリはクラウドに保存され、紐付けされたデバイス全てに同期されるようになる。
◆ バックアップのクラウド保存
バックアップのクラウド化。一日一回重要なデータのバックアップが自動でされる。アプリのデータ保存ということはゲームデータもクラウド上にバックアップされるということになりますね。
・Wi-Fi下で毎日自動的にシステムバックアップが行われる
・music、App、Books購入がクラウド上で可能に。
・カメラロールの内容もクラウド化
・デバイスセッティングのクラウドに保存
・アプリのデータも保存
◆ クラウドでのドキュメント保存
・Pages/Numbers/Keynoteで作成されたドキュメントは自動的にiCloudに保存される。
◆ iCloud Storage APIの提供
Cloudを利用するためのAPIが提供される。iCloudを利用するサードパーティアプリに期待ですね。クラウドが広がる肝は私もそこにあると思ってます。
◆ Photo Stream
・iPhoneなどで撮った写真をクラウドに保存できるようになりました。
・iOSの「写真app」の「Photo Stream」フォルダと同期されるそうです。
・iOSデバイスでは直近の1000枚の写真を管理。
・Mac/PCではすべての写真が保存できます。
・AppleTVからも閲覧可能。
◆ iTunes in the Cloud
・購入済みの音楽についてアルバムごと、曲ごとにクラウドからの再ダウンロードが可能に。
・OTA(ワイヤレス)経由での同期。
・ストリーミングという表現は使わず、ダウンロードという表現を使っている。
One More Thingは「iTunes Match」
新型デバイスの登場も期待されましたが、今回は「iTunes in Cloud」に関する一歩進んだお話でした。ただし、当面はアメリカのみのサービス提供になりそうですね。
・Ripされた曲についてiCloudへはiTunesのマッチングサービスを通じて認証が行われる。
・照合を完了できたものについてはiTunesに登録されている楽曲と同じものがiCloudに置かれます。
・$24.99での提供
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