Appbankアプリのクチコミ機能に待ったをかける人がいてもいいんじゃないか?
言いたいことはタイトルを文字通り受け取るなかれ。本当に言いたいことは最後に書きます。ネットの世界で一番怖いのは何より「情報を鵜呑みにすること」だと日々思っております。私自身がそこに陥ってしまうことも多々ありますので余計に思います。
自分で見たこと聞いたことを発信しているのが、色々なブログの基本的な型ではありますが、その内容がすべて正しいことは誰も保証していませんし、すべて間違っていることもないのです。そんな当たり前のことを忘れるから色々とトラブルも生じるんだと思っています。
基本的に一番誤解を生むのは「超ネガティブな意見」と「超ポジティブな意見」です。どちらも私が思うのは「デジタル思考」だということです。人の思考に「絶対」というのは言葉のあやであって、本当には「絶対だと思い込んでる」に過ぎないんだと思っています。
さて、「Appbankアプリver1.31」で個人的には「本当の意味での良アプリ」になったなぁと思ったと言うことを最初に断っておきます。その上でこのアプリにもの申したいことがあるわけです。このアプリの良いところは「アプリのクチコミができるようになった」ということなんですが、これについては私は「革命的だ」と思っています。ですので、Appbankアプリのクチコミ機能でこのアプリを以下のようにクチコミしています。
本当にそう思ってて、そう書いたわけなんですが、書きながら違和感も確かに覚えていました。そう、本当のことを書いてるわけなんですが、本心ではないんですよ。
なぜなら、このAppbankアプリのクチコミ機能にはクチコミする前提がAppStoreとは全く違う背景があるからです。
それは何か。
一言で言うならそれは「フラットではない場所での議論」ということではないかと思います。なぜか。それはAppbankがタイトルでも明記しているとおり「iPhoneアプリをおすすめする」サイトということに他なりません。
それをさらに深く掘り下げればどうなるでしょう?そもそも、このアプリのクチコミ機能は過去にAppbankが紹介したアプリに他ならないわけですよ。つまり、「iPhoneアプリをおすすめしている」そのアプリ達をクチコミするってことなんですよね。「だからどうした?」と言われればそれまでの話なのですが。
例えば、私自身もブログでアプリのレビューをするわけですよ。なぜレビューするかと言えば、「このアプリいいわ」と思うからです。
それに対して、確かに「そうかなぁ」というコメントがつくこともあるわけですが、本当に極一部です。そう思ってる賢明な読者さんはおそらく「スルー」するんじゃないでしょうかね?ネット上、そういうネガティブな意見というものは最初にも言いましたように色々な誤解が生まれるわけです。その誤解はどこにあるのかというと、「どれだけ信者やねん」と思うネガティブに行き過ぎた気持ちと、「こんないいアプリをただダメダシしてるだけ」という擁護したいだけの行き過ぎた気持ちを互いに誤解しあうわけです。つまりお互いの発言を思いやる前に自分の発言した責任を果たすことに一生懸命になる傾向があるようです。そうなることを予測できる賢明な方々はそういう空気を読んで「スルー」するわけです。
何を言いたいのかといいますと、「おすすめしている場所でのクチコミ」というのは、ある種「行き過ぎた」ポジティブな意見を集めただけのクチコミになる恐れがあるのではないかということです。サイト管理者が「いい」と思ったから紹介した記事のアプリをどうやって、批判できましょうか?できなくはないですが、それをしたところで、どうなるか想像がつきますよね。だから批判クチコミというのは非常にできにくい雰囲気になっていることは間違いないでしょう。例えば、AppbankアプリのクチコミとAppStoreのAppbankアプリのレビューを見て、どちらが現実なのかと言えば、私はある程度、AppStoreが真実を語っていると思います。ただ、ネガティブにもポジティブにも行き過ぎた感はあるのですが。とにかく「デジタル思考」がここでも猛威を振るっているなという印象があります。
こういう場の意見を参考にもしアプリを買う方がいれば、それは本当に購入の参考になる場であるのか。それが疑問に感じられるわけです。そういう危惧を抱かずにはいられないのが「今」のAppbankアプリのクチコミ機能です。
ただ、ただですよ?
ここまで私が言ったところで「ほんとそうだな。Appbankアプリのクチコミ機能を信じちゃいけねーよな。読者総提灯クチコミとかありえんよな。」まで思ってしまう方はまさかいないと思いますが、それは危険すぎます。それこそが「情報を鵜呑みにする」ということなのではないでしょうか?ましてや、ここまで読んだ時点でコピペしてブクマとかしてる場合じゃなくて、今こそ、考える時間なんじゃないでしょうか?
私は言いたいことは実はここからなんですよ。
先ほども私は言いました。Appbankアプリのクチコミ機能には上のような、怖さもあると。だからと言って、Appbankアプリを使っちゃいけないとは何も言っていないのですよ。このアプリがダメなんてこれっぽっちも思ってないわけですよ。そういう危うさがあることを覚えておいた方がいいよって言ってる人がいる。それだけのことです。
AppStoreがなぜ荒れるのか。それは荒れているわけではなくて、至ってフラットな意見が集まっているに過ぎないってことだと思います。なぜそう見えるのか。良くも悪くもここはネットの世界なので、現実のように自分のすぐ近くにいる人が何かを貶していたとしても、自分の耳にほとんど聞こえてこない。それがネットであるが故に全部見えてしまうんだから仕方がないことです。
ですから、自分に都合の悪いことは見なかったことにすりゃいいんですよ。大事なことは、見なかったことにしたんだけどそういう意見もあったんだということは心に留めておけばいいんだと思います。それをひとつ汚い言葉が出たからと言って、煽りあいみたいになるのはどうかと思ったりもします。
そこで私が勝手に思ったことなのですが、恐らく彼らは、今までのAppStoreの状況などを見て、逆にポジティブな意見ばかりで溢れた場を作ろうと。私が危惧したことなどとうにすべて見透かしているAppbank氏が、motomaka氏が、色んなプラスの想いをのせて世に出したAppbank1.31なんだろうなと思いました。
それを確信できた、もとまかさんのエントリー。大いに感銘を受けました。タイトルにも想いが込められているなぁとも感じました。
iPhoneアプリへのクチコミ。それは無限に広がる可能性!
http://d.hatena.ne.jp/moto_maka/20100307/1267903477
【もとまかのiPhone・iPod touch戯れ日記】
(一部抜粋します)
AppBankアプリのクチコミ機能については、実に長い時間をかけて議論を重ねました。
それでも、恐らく我々の中でもクチコミの位置付けは少し違ってるように感じます。
(私の思いは、近々長編記事で書こうと思ってます。)
それくらい難しくもあり、面白い機能だと思ってます。
でもあえて「このクチコミ機能はこういう風に使って欲しい!」とは
書かないようにしよう、とも思ってます。
今は最低限の機能の実装にしているのも、まずはシンプルなものを
提供して、それがどういう使われ方をされるのかを見定めつつ、
次の方向性を考えていきたいと思うからです。
そういう意味では、今後のクチコミ機能を作るのは皆さん自身かもしれません。
実際、皆さんのクチコミを読むのは楽しいです。
人それぞれで意見は違えど、そのアプリの良さを伝えてくれる文章は
読んでいて気持ちがいい。そういうことだと思ってます。
私もさんざん悪態をついてきたわけでございますが、「今後のクチコミ機能を作るのは皆さん自身かもしれません。」この言葉に感動すら覚えました。本心からそう言ってるんだろうなと思いました。
つまりはそういう危惧もあったりするわけですが、それをも吹き飛ばしてくれるAppbankアプリの懐の深さを噛みしめながら使い込んでいきたいなと思ったわけですよ。これが結論です。万々歳で使ってるわけじゃない。そんな意見も今後のアプリに反映してくれる世界、それがiPhoneアプリの世界なんだと思います。素晴らしいじゃないですか。デベロッパーもユーザーもメディアも本当に意味でフラットになれたら良いものが出てくるんじゃないかと思っています。これからも頑張って頂ければと思います。