@RucKyGAMES へのラブレター
ちょうど AppBank さんところにこんなエントリーが挙がっているのをみて、「同じだな」と思った。
リーゼント vs トロンボーン 1.9
容量 : 1.4 MB
リリース日 : 2009/07/12
カテゴリ : ゲーム
価格 : 無料
販売元: RucKyGAMES
AppStoreでの評価 : 3.5
AppStoreでチェック → リーゼント vs トロンボーン
◇ 私が @RucKyGAMES を好きな理由。
http://www.appbank.net/2011/12/15/iphone-news/342413.php
(via AppBank )
この中で言われていることは要するに「なめたことするやつがおるな。」と言うことだ。しかし同時に「おもろいやっちゃな。」ってことだ。
この手のアプリを私は当時「なめ系」と言っていた。ユーザーをなめとる。そう思っていた。
ただ、@RucKyGAMES のゲームは実はゲームの本質を鋭く突いている。なぜ @RucKyGAMES のゲームが一部で評価されているのかわからないというプロレビュワーなどもいくらかいるが、それは映像、音楽、ゲーム性の総合的な判断からゲームを評価しているからだ。「ユーザーにとって楽しめるのか」はつまり「売れるか」に繋がるわけで大企業様にとっては最も重要なことであり、そんなゲームに慣れ親しんだプロレビュワーの方々にとってもメシのタネなんだからその視点でレビューするのは当然だと思う。私はここで異論を唱えるとすれば、「楽しくないゲームはゲーム性が劣る」とは思わない。「楽しくないのにゲーム性は凄い」そういうものがあるのだ、ここに。
いらぬものをすべてそぎ落とし、ゲーム性だけを抽出したとすれば、それは @RucKyGAMES のラインナップの足下にも及ばないようなゲームばかりだということだ。根底にあるゲーム性に疑問を投げかけその根底から覆すような「屁理屈」でプレイヤーは翻弄される。これこそが @RucKyGAMES の提唱する「ゲーム性」なのではないかと思う。
現存するゲーム、特にRPGにおいては下らない局地で、「1」という数字をタップして「2」が表示され、「2」をタップすると「3」が表示される。意表を突いて「5」とか「6」が出ることはあっても、突然マイナスになったり虚数になったりすることはない。そうなるのが @RucKyGAMES ゲーなのだ。今のゲームというのはゲーム性というよりはそれが固定の概念で、その「安心感」の上に乗っかっている「味付け」を楽しんでいるに過ぎない。
だから、すぐ慣れるし溶け込める。これまでの定石通りやっていれば楽しいのである。しかし、それを私は否定しない。
ゲームは大部分が「快感」の上に成り立つものであり、「不条理」とか「理解力を要する」ものはめんどくさくてやってられない。だからこそゲームというものはこのように進化してきたのだ。ユーザーも望み、作り手も望んできた結果が今なのである。そんな中でそれでは満たされなくなってきたのが彼なのである。でもいいじゃないか、一方通行でも。ゲーム性が劣っていても他が素晴らしいから「面白く」感じるし、「楽しく」感じるのだ。それをまったく否定する気はないということなのである。
ただ、すべてのゲームは横並びで、「そればっかり」っていうのに異論を唱えるのもひとつなのではないかと思ったりもするわけだ。いろいろあっていいんじゃないかと言う話だ。
私はシューティングゲーが大好きなのであるが、彼は昔唯一のシューティングを作っている。まったく下らない。爽快感の欠片もない。ずっと緊張感の連続なのだ。
i節分 1.2.5
容量 : 1003 KB
リリース日 : 2010/01/28
カテゴリ : ゲーム
価格 : 無料
販売元: RucKyGAMES
AppStoreでの評価 : 4
AppStoreでチェック → i節分
このゲームは鬼を倒すと1ポイント。福を迎え入れるとパワーアップする。福を殺すとパワーダウンするが、スコアは高い。今や、パワーアップも派手になる一方でボスは堅さを増すばかり、あろうことか、攻撃方法だけが多様になって、プレイヤーを殺しに掛かるだけのもの。逃げ道は開発者の用意したやっぱり「一本道」なのだ。画面中にあふれる弾幕という「演出」こそがトレンドであり、それを芸術だというユーザーもいるのが現状なのである。
ある意味、シューティングの本質は「i節分」の方が突いているのではないかと思う。シューティングゲームというものは打ち落とす快感がすべてであり、打ち落とすまでの過程が「1」が「2」になり、「2」が「3」になるパワーアップ方式でそれに対するバランス取りで敵が強くなっているだけの一方通行のゲーム性なのである。それを見事に「i節分」はプレイヤーにあらゆる場面でのトレードオフを要求するまったく新しいシューティングに仕上がっているのではないだろうか。ただ、「爽快感」は皆無になるが。彼はそれよりもゲーム性を取ったのだろう。
しかし、自分のブログをサーチしてみたが、やっぱり「i節分」のレビューはなかった。当然だ。私は「面白いもの」と思うモノしか紹介しない。
昔のゲームでは死んだら全てパワーアップを失い、そこからの復活というところにゲーム性を見いだすことはできたものだが、敷居が高すぎた。プレイヤーにとっては「サギゲー」だと一言でクソゲー扱い。つまりはゲーム性は当時からまったく変わってなくて、そこからヘビーユーザーだけがユーザー自身で自らゲーム性を見いだしていたと言うだけの話なのだ。
私は元よりゲームに対してよく「運ゲーだ!」と呼ばれるゲームが好きだ。いくら努力しても報われない要素がないとゲーム性があるとは言えない。言い換えればギャンブル要素がなければときめく要素がないのだ。あくまで私がそう思っているだけで、他人にそうだそうだと言われたいわけではない。ただ、そういうギャンブル性をどこまで確率的に高めることができるかを「考える」ことこそ、ゲームしてて楽しいと思う瞬間なのである。
しかし、@RucKyGAMES はさらに裏切る。
それはデビュー作まで遡る。おかしな話だ。さらに裏切るのが処女作なのだから。これを見ても私はまったく論理的ではないから別に読み流して頂ければそれでいいわけだ。気にするな。でも気にしとけ。
i刺身LITE 2.9
容量 : 708 KB
リリース日 : 2009/05/21
カテゴリ : エンターテインメント
価格 : 無料
販売元: RucKyGAMES
AppStoreでの評価 : 3.5
AppStoreでチェック → i刺身LITE
あなたは、社会の歯車の一つとなって、刺身の上にたんぽぽを乗せていきます。
ただひたすら、それを繰り返します。
それだけです。そんな人生です。
時系列はおかしいが、最初の話に戻る。
@mamiruton さんがトロンボーンなら、私は当時毎日 AppStore に出てくる新作アプリはすべてチェックしていた。そのときに見たアプリ紹介の衝撃を私は一生忘れない。そしてプレイした衝撃。まさに今時のゲームの「1」が「2」になり、「2」が「3」になるゲームのエッセンスそのもの。痛烈に皮肉っているんだなと思ったな。当時の私は彼を当然知らなかったわけだが、思わず「グッジョブ!」と叫んだんだったわ。
私はそれ以来ずっと @RucKyGAMES レーベルの大ファンだ。何かの間違いで、私をモチーフにしたゲームにしてくれたりもしたが、別に彼は私に媚びて作ったわけではないし、私も彼に媚びてアプリを紹介をしたわけではない。普段もおもしろおかしく @RucKyGAMES のアプリを楽しませてもらいシェアさせてもらっているが、それはまさに彼のブランディング作戦にまんまとはまっているだけだとも思っている。
全てにおいて彼にとっては「ゲーム」なのかもしれない。しかし、そんな彼が私は大好きなのである。彼こそが私の思う「一番ゲームをわかっている男」なのだから。
でもこれ、ネタよ。ネタ。こんなこと本気でおもってないかもしれないかもしれないわけで、こんなこと書いて後で後悔させないつもりはありませんってやつですわぁ。
おわりんご。
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